『論理哲学論考』に挑む前の準備体操として、3冊の入門書を読んだ。
中村昇『ウィトゲンシュタイン、最初の一歩』は、悩みを抱えがちな中高生を対象にしていて、さすがに語り口がソフト。全体像よりもキーワードからウィトゲンシュタイン の考え方を身近な具体例とともに示そうと試みる。
古田徹也『はじめてのウィトゲンシュタイン』は、3冊のなかでは最も濃い入門書。『論考』『探究』への出発点となる。鍵語である『像』を深めてもよい。
ウィトゲンシュタインいわく「文章は、正しいテンポで読むときだけ理解することができる。私の文章は、すべてゆっくり読まれるべきだ」に納得。
橋爪大三郎 『はじめての言語ゲーム』は、 ウィトゲンシュタインの生き方全般にも触れながら、後半に「言語ゲーム」の説明を厚くしている。哲学よりも社会学や社会理論への案内という色合いが濃い。本居宣長 を「言語ゲーム」で読み解くくだりは見事で、小林秀雄を思い浮かべた。
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