杉本圭司『小林秀雄 最後の音楽会』

杉本圭司『小林秀雄 最後の音楽会』を読む。

学生たちの前で小林秀雄 、小林秀雄とその名を連呼するほど私淑している筆者が、自らの音楽の素養を出発点に、『モオツァルト』の他には語り得なかった小林秀雄の音楽観を紐解く。

「無私ヲ得ントスル道」を体現したのは、小林秀雄ではなく筆者ではなかったか。

そして「批評は原文を熟読し沈黙するに極まる」を実践したのも、筆者ではなかったか。

小林秀雄に対する批評や評伝は相当な数にのぼっていて、すべてを読みこなすことはできないけれど、本書は若松英輔『小林秀雄 美しい花』と並ぶと思う。

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