デレク・ジャーマン『ヴィトゲンシュタイン』

映画『ヴィトゲンシュタイン』をDVDで観る。

ウィトゲンシュタインの生涯と思想を『論理哲学論考』並みのミニマルさで描こうとする試みに驚く。

下手な再現ドラマではなく、不要な装飾を排除したからこそ、人と言葉が浮き上がる。

残ったのは、余韻というより、ざらつき。

この先、何度も観るだろう。

ただし、そのミニマルさゆえ、背景の理解には最低限の知識があるに越したことはない。

丘沢静也訳『論理哲学論考』光文社古典新訳文庫に収録されている野家啓一「高校生のための『論考』出前講義」と、古田徹也『はじめてのウィトゲンシュタイン』がとても役立った。

哲学書は、少なくとも「わたし」のために書かれてはいない。入門書・解説書はとても大切だとあらためて感じた。

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